珍問答吉村秀樹

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。


先日中学の同窓会があった。
正確に言うとあったらしい。
別に自分の所に案内が来ていなかったわけではなく、案内が来た時点でハガキを捨ててしまっていたため完全に忘れていた。
ハガキが来た時点で迷うことなく、これは行かないな、と判断したのだった。
友人のK君に会ったときに「同窓会行く?」と聞かれ、捨てたと答えると流石に「早っ!でもそうだよなぁ、俺も行くのやめとこう」てな感じになり、行かないのにも関わらずお節介にもどれくらい来るか予想したりしてみた。
僕らの中学は1学年約200人、そのうち何人来るか・・・30人来ればいいほうじゃないだろうか?などと勝手に想像していた。
しかしそれを確かめる術の無い不毛さに気づき、その会話はそれっきりだったのだ。


ところが年末他の友人A君にあった際に彼はなんと同窓会に行ったと言うではないか。
どちらかというと彼も僕らと似たアウトサイダー、全くもって同窓会に行くようなキャラではないと思っていたが、意外であった。
しかし真相を聞くとダーツで負けた罰ゲームだったらしい。
嫌な罰ゲームだ。
とはいえ、行ったことは行った勇気ある戦士だ。
会場は駅前のこじゃれたバーで参加人数は約50人、男女比は2:1くらいだったという。
あいつは太っていた、あいつは垢抜けた感じになっていたといった感想を次々と聞かせてくれるA君だったが、一向に女の子の話が出てこない。
女の子は誰が着てたのかと聞いてみると、「いやぁ顔と名前が一致しなくてほとんど分からなかった」。
いや来たね、やはりアウトサイダー、同窓会に行って1/3の人の顔に見覚えが無い、辛いなぁ。
しかも本人曰く当時の女の子の記憶はほとんど髪型とリンクした記憶のためこの年で中学時代と同じ髪型の奴などおるまいという事実も相俟ってそういった事態を引き起こしているらしかった。
そして行きはしないが、話には大いに興味がある俺とK君は質問を続け、誰々は来ていたか、え、そんな奴いたっけといったやり取りが続くのだった。


一通り話し終わり、今度同窓会あったらあの面子さえいれば、行ってもいいかなぁなどとと思いつつ、家に帰って早速卒業アルバムを引っ張り出してきた。
会話の中ですら俺の記憶に無い人の名前がボンボン出ていたからそれなりに気になったのだ。
アルバムを見てみて写真を見て、あぁこの人ねというのも会ったし、写真を見て尚、こんな奴いたか?と思うこともあった。
しかしそんなことより、何より卒業アルバムを眺めているうちにあの頃のなんとも言えない苦々しい気分が蘇ってきた。
別に何か具体的な事柄を思い出したわけでもないのにである。
そんなに俺の中学生活は苦々しいものであったのか・・・。
次回同窓会があっても決して行ってはいけないと心に誓った。


※高校の同窓会だったら喜んで行きますよ。