3年生を送る会

往々にしてあるじゃない、この手のイベント、卒業式とは別に。
なんか卒業生やら在校生やらがいろいろやんの。
で、僕が3年生の時のプログラムの中にふるさと(独唱)というのがあった。
(独唱)なんて今思えば森山直太朗かよって話だけど。
歌うのは同じ3年生の女子だったが、最近覚えた言葉で表現するならビッチ系と言えるのではないだろうか。
いや、本当はよく知らない。
覚えた言葉を使いたかっただけかもしれない。
だがなぜ彼女が歌う?
しかも大トリという大役を?
別に歌がうまいという話を聞いた事も無いし。


ふるさと(独唱)が始まった。
こ、これは、下手ではないが、別に取り立てて上手くもない。
ふるさとという曲は自分で歌うと短いけど、これは長くかかりそうだぞ。
そもそもなんでふるさとなの?
卒業と言えばふるさとか?


体育館にいる全員が固唾を飲んで見守る中、2番を歌い終わった。
良かった、やっと終わっ、3番歌い始めたってウォーイ!
この時体育館にいる全員が前のめりにつんのめった。
恐ろしい。その度胸には敬意を表する。


なんとか無事(?)終わり、体育館から去る生徒達は「まさか3番まで歌うとは」、「3番まであるなんて知らなかった」、「そもそもあの人誰なの?」、と異口同音に語り合っていた。
そう、これが現在にまで語り継がれる「3送会ふるさと3番事件」の真相である。
僕達は忘れない、あの初春の出来事を。