1年目と2年目

会社に入ってすぐの頃、人事の計らいで1年目の我々と2年目の先輩社員とで飲もうという会が催された事があった。
僕は人見知りなので、酒の席と言えどなかなか会話の糸口を見つけられない。
1時間くらい経ってやっと酒も回って来て、ぼちぼちこっちからも積極的に話していこうかなんか思って、トイレから戻ると、果たして正面には男性の先輩と女性の先輩とが並んで座っていた。
早速挨拶をし、色々質問をするのだが、どうもこう、釈然としない反応だ。
僕の質問に答えてくれているのだが、一向にこちらを見てくれない。
2人してお互いを見合って、俺の振った話題について話している。
その後も会話が途切れては俺が話題を振り、2人で話し始め、また途切れると、話題を振るという事が繰り返され、僕は怖くなった。
なんだこいつら、できてんのか。
それともあれか、俺はお2人の対談の進行役か。
結局最後までその席を動くに動けず、進行役に徹してしまった小市民ことわたくし。
結局その後俺は本社ではない、少し離れたとこにある部署に配属されたため、あれが誰だったのか今となってはわからない。
まあでも知らない方がいい事ってあるよね。