ソフトなモヒにしてくれ

「テニスも夜もバックが得意です」
オノダさんまじめそうなのにそんな事言う人だったなんて・・・
みたいな顔をされるのが好きだ。
いや、違う、それはどちらかというと副産物だ。
本当は、たまにはこんな事も大っぴらに言いてぇなぁというだけだ。
本当は言いたいけど人見知りだからなかなか言えないだけだ。
しかし副産物とはいえ好きだ。
こうやって評判を覆すのは。


さっきまで俺と喋っていた女の子は呆れ果てたのか別の女の子と話し始めた。
さすがに会社のテニス部に初めて来た人達に対してする自己紹介としてはだいぶあれだったな、飛ばしすぎたな。
第一ほとんど初対面なんだからまじめそうもくそもない。


女の子達はダンスの話をしている。
ベリーダンスとか言うダンスの話を。
携帯で動画を見せ合っている。
俺も見せてもらおうと思ったら「あ、ちょっと露出が多いんで・・・」と引っ込められてしまった。
・・・ですよね、そんなバックが得意な人に露出の多い姿見せられませんよね。
ところでベリーダンスって一体どんななの?と聞いても一向要領を得ないので、仕方なく想像してみることにした。
ベリーダンスはマッチャチャチャチャチャスケの住み着くようなマリリンマンションで行われ、ストレッチングマチコ先生によるストレッチ指導の後、(中略)仮面の忍者赤壁のように舞うところまでは想像できたが、やはり露出が多い、という肝心なところが想像できない。
やはり僕の想像力は変態と呼べる域には達しておらず、がっかりするような、ほっとするような、そんな面持ちで家に帰った。