箪笥箪笥レボリューション

ある日珍しくファティマが話しかけて来た。
「あのー、私社内報委員てのやってまして、今度の記事にブログをやってる人を取り上げる事になったんですけど、うちの部からはオノダさんを推薦してもいいですか?」
「え!?」と朝っぱらから部屋全体に響き渡るような大声を出してしまった。
なぜ俺がブログをやってるのを知ってるのか。
が、すぐに思い出した、彼女の同期に酔っ払った時にそんな話をしていた事を。
そうかあ、既に一部とはいえ社内でも知られてしまっているのか。
これは困った。
なんか書きづらいなあ。
結構無断で会社の人の事書いてるもんなあ。
万一俺のが社内報で取り上げられるなんて事になったら・・・ちょっと恐ろしいな。
きっと社内報委員の人達の想定してるブログって、やれ何を食べに行きましたとか、やれどこに旅行に行きましたとか、そんなのに違いない。
ところが俺と来たらどうだ。
やれうんこだのちんこだのでたらめな俳句を詠むだの。
こんなのが全社に知れ渡ってしまうなんて・・・まずいだろ。
あれ?でもそんなにまずいか?
いざ読み返してみると、なんかそこまでじゃないな。
なんか中途半端、突き抜けて無い。
これではいかん。
もっととてもじゃないけど社内報になんか載せられないような内容にしなければ。
と、俺は決意を新たにし、ファティマにこう告げた。
「僕はブログなどやっていないよ」