オノデラとの終わりなき闘い

社内メールで知らない人からメールが来た。本文にはAチーム各位と書かれており、全く覚えが無い。俺はいつから特攻野郎に仲間入りしたのだろうか。
内容をよく読んだ感じだと、他部署の小野寺君に宛てたものではないかと推察された。


オノダという家に生まれた以上、避けられない宿命がある。それがオノデラとの闘いである。
闘いの始まりは思い返せば小6で転校した時だった。前の学校ではオノとかオノチンと呼ばれ、自分もそれを親しんでいたのだが、転校先では小野寺君が既にその愛称で親しまれており、俺は只のオノダ君になったのだった。中学も同じだったので、都合4年間になる。別に小野寺君とはまあ仲良くやっていたわけだが。
高校には他にオノのつく人はいなかったので、またオノチンとか呼ばれるようになったが、本当の闘いは実はこれからだった。出席をとる時オノデラと呼ばれる事が格段に増えた。病院とかでもオノデラさーんと呼ばれる。学校はまだ俺の事だとわかるが、病院だと本当に小野寺さんの事を呼んでいるのかもしれず、迂闊には動けない。なんて事だ。実際に小野寺君がいようがいまいが、俺にはオノデラが背後霊のように付き纏ってるんだ。


いつからか諦めて、オノデラと呼ばれても訂正しなくなった。それでもチャンスがあれば、その都度正しい名前を名乗るようにはしている。もっともそんなの些細な抵抗で。よく出さしてもらってるライブハウスの店長など、俺はメールを送る時必ず小野田です、と書くのに、その返信は必ず小野寺様、で始まる。


もういい。オノデラと全面戦争だ。こっちには小野田少尉もいるし、いざとなれば、ジェームス小野田だっているぞ。他にも小野塚とか小野沢とか探せばいるはずだ。あとは上位存在たる小野の御旗の下に闘えれば我らに勝機はある。ここにOチームの結成を宣言する!*1集え同士よ!


そうこう言ってたら、知り合いだけど、仕事の絡みはほとんど無い人から社内メールが来てて、Aチーム各位つって、だから俺は特攻野郎じゃねぇっつうの。

*1:◯◯野郎の部分は特攻野郎か冒険野郎以外思いつかないから追い追い考える。