どっからどこまでナポリタン

幼少期よりナポリタンの存在価値が分からない。
確か小学生くらいの時だった気がするが、ある日の我が家の夕飯はスパゲティ祭りで、ナポリタンとミートソースが作られていた。気がする。
俺の皿には第一陣としてナポリタンが盛られていたが、食べた結果「このスパゲティにはソースがかかっていない」と判断し、両親の静止を振り切り、ミートソースをかけた。
つまりはそういうことである。
俺はナポリタンという存在を認めていないらしい。
そうするとこんな事も起こる。
2、3年前スキーに行き、15時くらいに遅めの昼食を食べようとした。
その時はミートソースを頼んだのだが、厨房からは俺に聞こえるか聞こえないかの音量で「ミートソースもうないです。ナポリタンならまだあります。」という声が発せられていた。
しかし会計を担当する人間は特に何も言わず、料金を請求してきたので、大人しく払って席で待っていると、スパゲティが来た。
あれぇ、なんか具の少ないミートソースだなぁと思っていたが、後から来た人に「お、うまそうなナポリタンだなー」と言われ、やっと、これナポリタンだったのか!と気付く有様である。
会計を担当した者は本来なら、ミートソース終わっちゃいまして、ナポリタンならあるんですが、と聞くべきところを自らの判断でこれを変更、供出したわけだ。
しかし今ここでは担当者を槍玉にあげたいわけではない。
おのれのナポリタンに対する無理解。