黒沢清『カリスマ』

始まりました、指定された映画の感想を書く、という試み。
1回目は黒沢清監督の『カリスマ』。
あらすじを簡単に書くと、上司から休暇を言い渡された刑事が訪れた森ではカリスマと呼ばれる木を巡り、様々な人間の思惑が入り乱れていた、ってなとこか。
正直意味がわからない部分が多かったので2回見ました。

世界の法則を回復せよ

冒頭、薮池が立てこもり犯に託された言葉、「世界の法則を回復せよ」。
こりゃ一体どういう意味なんだ。
直接考えても全然答えらしき物に辿り着かないので、他の事から答えを導き出せないか考えてみる。

カリスマ

桐山が執拗に守る木、カリスマ。
神保に燃やされてしまったが、薮池が新たなカリスマを見つけ出す。
でもただの枯れ木。
ここで思ったのは「カリスマ」ってものはみんながあがめるからカリスマになるだけであって、その存在自体が凄いわけじゃないよって話に感じられる。
あんな枯れ木に大枚はたいちゃうような好事家がいたりして笑っちゃうよねって。
そう言えばこの作品が発表された時ってちょうどカリスマ美容師とかカリスマ店員とかそういうのが急に出てきた時期だったような記憶がある。
そんな時にこんなタイトルの映画作るなんてなんか凄いなって当時思った。

個か全体か、内か外か

カリスマを生かすかそれとも森全体を生かすか、という問題があったが、新カリスマの前で薮池は「どの木も元々特別なオンリーワン」といった感じのセリフを喋っている。
個か全体かという問い自体が間違っていると。
つまりカリスマなんてものは無いんだと、そういうことだろうか。

誰も出てはならぬ

最終盤みんな森から出られなくなった。
森から出て行ったのは植林の作業員だけ。
あの作業員はなんだ。
人数に意味があるかとも思って数えたら9人だったけど、だからなんだかはよくわからない。
ただハンターを殺し、猟銃を奪い、街を襲撃した事を考えると、森の妖精?
かどうかはわからないが、森側の存在なんだろう。
ということは人間に対する森の逆襲という事か。
そんな宮崎駿みたいな話なのか?

キノコ

カリスマが燃やされている時、薮池は煙でできたような巨大なキノコ(の幻想?)を見た。
これを境に薮池は、他の住人とは対照的に悟ったかのように迷いの無い行動をとるようになる。
で新カリスマの前での状態になる。

で世界の法則って?

薮池は森の大いなる意思でも感じ取っただろうのか?
そんで、あるがままなのが世界の法則って事だとわかった?
だから「これからが始まり」で街で何かが起こるであろう事を感じていたのだろうか。
すんません、よくわかりませんでした。

本当の感想

2回見ても意味わからなかったけど、つまらなかったかというとそんな事は無かった。
スリリングで、楽しかった。
特に作業員が良かった。
あと実人生の洞口依子死んだんだよなーと思って見てたけど、調べたら死んでなかった。
ごめんなさい。


ちゅうことで今回はこれで勘弁してください。

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