校則の話

大学の時、一応校則ってのがあったみたいで、その中に「下駄禁止」という条項があった。そもそも俺の行ってたのはミッション系のシャレオツなとこで、パイオツカイデーなチャンネェがいるタイプの大学だから、下駄なんか履いてくる奴いるかよって思うだろうけど、いるの、俺が。本当なら、ずた袋みたいなのも担ぎたかったんだけど、あの昔の中村雅俊みたいな感じのやつ、あれ。あれ一体どこで売ってんの?あれが手に入らなかったから俺は下駄を脱いだのだ。オールオアナッシング。嘘。下駄でカランコロンて大教室に入るとみんな一斉に俺の方を見る。多分みんな思った事だろう、下駄を鳴らして奴が来る〜っていう奴はあいつか。ってあいつ一体誰だ。あのずた袋も持たないで下駄を履いている奴は誰なんだ、と。そう思わせるのも申し訳なかったので、やめました。あとからその校則があるのに気付いた時には校則にもそれなりの理由があるのだなぁなどと。


そういえば、高校の時はどうだったろうか。校則に下駄の事が書いてあったかは覚えていないが、当時は下駄がどこに売ってるのか分からなくて、下駄に学ランでの通学は叶わなかった。代わりにサンダルで行ってたけど。仮に校則で下駄が禁止されてても大して関係無かったろう。ゆるい高校だったから。俺も当時は素肌に直接Vネックのセーターを着るタイプの高校生だったけど、先生からは何も言われなかった。ただ腹が冷えてキュルキュル言ったのでやめた。そんなだから髪の色とかも自由だったので、卒業式で、金髪の女の子が壇上に上がった時に父兄からざわめきが起こって、ようやくあの子が金髪だった事に思い至ったくらいで。話はそれるけど、卒業式で父兄から最も大きなどよめきが起きたのは同級生のモリタケンサク君の名前が読み上げられた時。