アイちゃんは胸元が明いてセクシーだった。

小さい頃、タイムボカンシリーズの再放送をよく観ていた。
タイムボカンヤッターマンオタスケマンイタダキマンゼンダマンイッパツマン・・・。
何をどれだけ観たかは覚えていないが、よく観た、と思う。
しかしどれを観ていても一つひっかかることがあった。
それはオープニング、エンディングの最後に表示される「タツノコプロ」。
なんなんだ、このタツノコプロというのは。
なんのプロなんだ、と不気味に思ったものだ。
実はそう感じていたのは俺だけではなく、先日BSアニメ夜話キャシャーンの回にオーケンが出ていて、「なんだかわからないけど、このタツノコプロというのが何かやっているという感じが不思議な感じ」的な発言をしていた。


不気味といえば行楽地に行ったときに上空を飛んでいるヘリコプターが不気味だった。
あれはなにかと親に尋ねたら「お客さんたちの様子を見てるのよ」という回答があったと思う。
俺はそれを「つまり観光客は狙われているのか!」と受け取った。
そうじゃなきゃヘリなど飛ばせはすまい。
悪か、悪の組織か!
悪の組織がヘラヘラしている観光客をどうにかしようと様子を窺っているに違いないんだ。
そう思ったらどこへ行ってもヘリコプターが気になってしょうがなくなってしまった。


さらに言うと小学生の頃のテストも不気味だった。
まあ何のことはないB4くらいのサイズのカラーのやつである。
別に問題には何の不審な点も無い。
しかしよく見るとあれは欄外、というか端っこのほうに小さな字で「この問題のねらい」と書いてあり、色々とわけのわからないことが書いてある。
ねらいだと?狙われている!我々小学生は狙われている!
そして先生は誰かに狙わされている!
先生はねらいに則した小学生をどうにかするように何者かに言われているに違いない。
恐ろしい、末恐ろしいことだよ。


それにしても一体誰が狙っていたんだろうか?
きっと小学生を狙っていたのも観光客を狙っていたのも同じ悪の組織に違いない。
は!そうかそれがタツノコプロか!
タイムボカンシリーズの何かをしてる謎の集団、しかしその実は観光客や小学生を狙う悪の秘密組織だったんだ。
怖いぜ、怖すぎるぜ、タツノコプロ・・・。


そうは心の片隅で震えながらも今日もタイムボカンシリーズを見続ける小学生の俺だった。