磯部涼『踊ってはいけない国、日本 ---風営法問題と過剰規制される社会』

クラブカルチャーガー、とか言ってるだけの本だったらがっかりだなー、と思ってたけど、そんな事はなかった。
磯部涼がセレクトした多彩な執筆陣が様々な角度からクラブ規制の問題を論じている。
僕の感じたこの本のポイントは以下の4つ。

・過剰規制
クラブに限らず今の日本は大衆の理解の埒外にあるものを規制したがる傾向にある。

憲法と法律
風営法及び警察のその運用は日本国憲法の営業権等に反している。

・クラブ合法化のための活動
筋論だけでは法律を変えられそうにはないから、署名でもデモでもロビー活動でもできる事はなんでもすべき。
またドイツのように業界団体を作るとかパチンコ業界のように警察の天下りを受け入れてうまい事やるとか。

・そもそもダンスとは
身体を解放する事。
革命を起こすパワーすら生み出す可能性がある。
これを権力が規制しようとするのは無理からぬ事かもしれない。
ダンスを我々の手に取り返さなければならない。


僕自身クラブミュージックは聴くし超大箱のワンナイトのイベントには行くけど、今焦点になってる小箱のクラブには行かない。
短期的に見れば僕もクラブが無くなってもそれ程困らない人間だ。
しかしクラブやクラブミュージックに興味が無い人にとってもこの問題は他人事じゃなくて、「過剰規制」の一現象だと捉えるべきと感じた。
またそもそもなんで踊らせる事を法で規制しなきゃいけないんだ?とは思ってたので、佐々木中がその辺の話をしてくれたのには溜飲が下がった。