顧問SENSE

顧問、という人に説明をした。
もうどうにも売上落ちてしょうがない店かあるので、思い切ってこんな感じの手を打とうと思います、って。
そしたらこんなのだめだ、俺の目の黒いうちはこんな事はさせないって言われちゃいました。
社長も公認のちゃんとした施策なのに。


顧問、の前に立つのは二回目だった。
前回は他部署の部長から突然呼び出されたので、かなり意味がわからなかった。
しかもそれより以前に顧問という肩書きの人と接する機会は高校の部活の先生くらいだったので、余計に混乱した。
顧問とは一体なんなのだろうか。
少なくともこの顧問は、いやー先生こもんじゃったよーとか言うタイプのセクシーコマンドー部の顧問とは一線を画している事は一目で知れた。


顧問は僕が椅子に座るなり、あの店を担当してるのはお前か、なんだあの店は、お前は鷺沼のあの店は見たのか、書店はなー、常に進化してるんだよと、口の両端に泡を溜めてまくし立てた。
僕の脳内はますます混迷を深め、結果なんの返答もできなかった。
次第に落ち着きを取り戻し、店のレイアウトの話をしていると理解できた僕は、何を言ってるんだ、この営業の事もろくに分かってないジジイは、という気持ちとこれが口角泡飛ばすという状態か、実際に見るのは初めてだ、得したなーという気持ちに引き裂かれそうだった。


その数日後指示通りのレイアウトに変更し、報告したところ、見違えるように良くなった、とお褒めの言葉を頂いた。
縦のもんを横にしただけで、こんなに褒められるとは。
そういえば鷺沼の店ってそんなに話題だったろうかと、俺を呼んだ他部署の部長に聞いたら、顧問は鷺沼に住んでいるから、と教えてくれた。


と、まあそんな調子なので、人間の目を白くさせる方法を知りたいんだけど、ググっても出てこないので、困っています。
どうしたらいいでしょうか。