THE BOOM FINAL@日本武道館

12/17のこのライブをもってTHE BOOMは解散した。
'89年にメジャーデビューして以来オリジナルフルアルバム14枚をリリース、僕は'96年にリリースされた7枚目『TROPICALISM -0°』から本格的に聴き始めた。
一般的には'92年頃の『島唄』のブレイクで沖縄のイメージが強いけど、その後は『風になりたい』に代表されるようなブラジル音楽に傾倒していた時期があり、僕はその頃の楽曲がとても好きで、今のブラジル音楽好きにもつながっている。


一曲目にいきなり『島唄』、その後は『Human Rush』、『you're my sunshine』『TOKYO LOVE』とラテンな曲が続く。
なんて俺得なセットリストだろうか。
って思ってたら5曲目の『berangkat-ブランカ-』で早くも落涙する有様。
そうかぁ、俺そんなにブランカ好きだったのかぁ。
とまあこの辺までは良かったのだが、中盤に差し掛かったあたりで『おりこうさん』を筆頭に初期曲をダイジェスト版でお送りするコーナーが始まり、途端に取り残される事に。
初期曲はもちろん一通り聴いたのだが、いかんせんバンドブームスカサウンドで、全く興味が起きず、ていうか率直に言ってクソ。
んだどもまあ客層が大体アラフォー中心であったので、きっとデビュー当時からのファンの皆さんも多かった事であろうから、このコーナーが一番盛り上がっていた事は当然と言えば当然。
でもこれ以降の展開で『真夏の奇蹟』とか黒い名曲も演奏されるわけだけども、いまいちこう周りの人達は本当にこの辺の曲は好きなのだろうか?さっき程盛り上がっていないのではないだろうか?みたいな余計な事に頭がいってしまい、なんだか惨めな気持ちに。
例えばユニコーンは俺が完全に全曲好きだから何をやろうと何の文句も無いんだけど、THE BOOMは振り幅が広過ぎるのでこういう事態に陥るのである。
初期からのブーマーは3rdアルバム『JAPANESKA』以降の音源がリリースされた当時どう思ったか聞いてみたいよね。
ああ、ブームオワタって思った人結構いるんじゃねぇかな。
でオワタって思ったけど、青春の1ページだし、最期は見届けに来ましたみたいな。
舐め過ぎ?舐め過ぎか?
間違いなく言えるのは初期曲はリズムがシンプルだから合いの手が入れやすいんだけど、沖縄・ブラジル以降はリズムが複雑になるので合いの手が入れにくいのかな?とか思ったんだけど、『風になりたい』は結構みんなリズムがとれていて、なんなのお前ら?って感じだ。
まあ色々あったけど、アンコール一回目で、ミヤが最後の曲はあまり悩まず決まった。っていうか今日やった30曲弱は全部皆さんへのメッセージなんです、的なMCがあり、始めた曲、彼らの言いたい事はつまりはこれなんだ『明日からはじまる』。そう、

僕らの青春は明日から始まる

THE BOOMは解散するけど、彼らの、そして僕らの人生はまだまだ続くし、それが青春じゃないと誰が言えようか。
このMCからイントロの流れでまた泣いてしまった。
お疲れしたー!


その他
・立ちボー宮沢和史
僕の席は二階のしかもステージの真横という決して良い場所では無かったのでステージ見つつ、大型モニター見つつって感じだったんだけどハンドマイク時のミヤの顔と言ったらコロッケがモノマネをする誰か、にそっくりであった。


・みんなおばあちゃん
細野晴臣は誰がどう見てもおばあちゃんだし、なんだったら坂本龍一もおばあちゃん化しつつある昨今、ミヤを除くヤマタカトチギの3人は50を前にしてこちらもおばあちゃんぽい風貌になっていた。
特に孝至と山川は髪型がなんかおばあちゃんぽいかんじだったし、栃木に至っては髪型は全く普通なのに(最年長という事もあるのか)ナチュラルにおばあちゃんぽかった。
日本人のベテラン男性ミュージシャンがおばあちゃんに寄っていく現象(ユキヒロさんを除く)に名前を付けたい。


・様子がおかしいコーラス
女性コーラスが3人いたのだが、その内の1人がアラレちゃんがかぶってそうな形の、それも真っ赤なニット帽と黒縁メガネをしていて、歌ったり踊ったりしていた。
この人は何者なんだろうかと目が離せなかったのだが、終盤ようやくメンバー紹介があり、「この人が帰って来ましたー!南流石ー!」
ダンサー、振付師、そしてギター小林孝至の元妻、南流石であった。合点がいった!
その後の『シンカヌチャー』では琉球太鼓の一団を従えて(?)の大立ち回り(?)。
そしてダブルアンコール後サポートメンバーが4人のメンバーと1人づつハグをしていくコーナーがあったんだけど、そうなると自然と高まる緊張感。
孝至と南流石がハグするシーンでは会場からため息ともなんともつかない声が漏れ、この瞬間だけは自分も一体感を得られた。